※「晴耕雨読」から転載。
少年野球に携わる子どもも大人もみんな、白球を見るとどうして、こうもワクワクしちゃうんだろうか?サッカー小憎だった筆者は真新しいサッカーボールを見ると、居ても立ってもいられず無性に蹴っ飛ばしたくなるのだが、同様に真新しい白球を見ると、居ても立ってもいられず無性に投げてみたくなるんである。新しいボールを手にした時に、手のひらに残るあの白い粉末さえ愛おしいものだ。
バックネット裏の大会本部でたまたまそこだけ陽が射したボールにはっとしてレンズを向けた一枚。
宮前区子ども会大会の開幕。前日のQueensの体験会やBBQ大会を、無慈悲にも白紙にしてしまった憎き雨雲はどこへやら、第一公園スタジアムは大快晴の午前8:30。
開会式のあとは各チームクモの子を散らすようにわらわらとそれぞれの会場へ移動、有馬フレンズは富士見台ウルフの本拠地、富士見台小学校球場へ向かう。対戦相手は水沢ライナーズ。昔の記憶では強豪であった。最近のデータ、特に今年の状況など全く分らなかった。前日に記念誌のページを繰ってみると、6年生が10人ほどいるはずだ。侮れない....。
「プレイッ!」
試合が始まってみれば惨憺たる結果....
....だったのは相手チームであった。詳細は避けるけれどスコア記録的にはこうだった。「2回裏フレンズの攻撃・打者3巡、22打席・6安打・被四球13個・全員得点・満塁での連続押し出し得点7点.....。」うちも強豪相手には何度かこういう煮え湯を飲まされてきた経験があり、相手の子どもたちや指導者の気持ちが分るだけに、最後はなにか悲しい気分になってしまった。3回コールド16:0。勝負師的指導者ならばこんな時も更にガンガン点を取れと指示するんだろうけれど、筆者には出来ない。
勝たせてもらった試合ではあるけれど、ベストプレイヤーは投げては無四死球、打っては3打点のTakumiと、2打数2安打2本の2塁打2得点4打点のKoutaに決定しちゃう。ライナーズさん、お互い頑張ろう!
第二試合は強豪富士見台ウルフと長沢ドングリーズ。
ドングリにはQueensのIzumiが在籍している。先発投手で5番を打つらしい。彼女の魅力と武器はなんと言ってもその屈託ない笑顔だ。試合前にスコアラーであるIzumiちゃんの母と連盟公式審判員の父、Hadanoさんがご挨拶。エールを送る。
ドカベン殿馬のお株を奪う「秘技!白鳥の湖打法!」ならぬ投法!なんである。
...でしょ、ねっ!(^^)
ところでここ富士見台スタジアムは歴史と伝統とその輝かしい戦績と、更に名将の名を欲しいままに享受する大監督Ogasawaraさん率いる「富士見台ウルフ少年野球クラブ」の本拠地である。フレンズ黄金時代には何度も肩を並べ切磋琢磨した仲であった。筆者オヤジコーチ時代には、うちが中盤までに5,6点差をつけて優位に立ってもOgasawaraさんは涼しい顔をして平然と構え、終わってみれば1点差くらいで逆転負けという試合がいくつもあった記憶がある。近年は連盟の副会長も兼任す。ヤングのKurosu監督同様、存在そのものにオーラがあるんである。
いろんな意味で大きな存在である。
どんだけ大きいかって、こんだけ大きいのだ。ほらね、校舎の上からグランドを睥睨するくらい。(しかして実際は細やかな気配りが出来る人なんである。野球は老獪かつ緻密である)この写真誰かウルフ関係者が見ていれば、是非ウルフに配信して欲しいものである。
勝ち残りで第三試合はフレンズ対向丘キッズ戦。2塁塁審はIzumi父のHadanoさんが務める。
これがうちの今年一番の試合になるだろうとは誰も想像しなかったに違いない。
初回表キッズの得点は1。その裏フレンズも1点を返しイーブン。2回表また1点リードされるも3回裏に1点奪取しまた追いつく。4回にまた1失点するが裏にまた1点で同点。同点に追いつくも逆転が出来ない打線の細さを露呈。更に6回表にまたしても追加点1点を取られてしまう。うちもウチだが相手も地団駄を踏んでるに違いない。スコアブックには見事に「1」がズラリ。
ここまで4:3のビハインド。6回裏のフレンズ。先頭打者8番Yuusukeが安打で出塁、2盗、暴投がらみで3塁へ。1番バッターShouyaの内野ゴロの間にまたしても1得点で4:4の同点。4回繰り返してきたパターンである。アウトカウントは2死ランナー無し....。
実はこの日ここへ来た時に6年生の副将Koutaに言った言葉がある。
「おう、Kouta。ここはな、結構ホームランが出やすいグランドなんだよ。ライトフェンスは遠いけど、レフト側は以外に思った以上に近いんだよ。おまえがドンピシャのタイミングで振り切ればイケルぞっ、頑張れ」
筆者の昔の記憶ではここで何本かホームランを見ているんであった。野球センスは抜群なのに、普段目立たないKoutaに活躍してほしくて声をかけた。
2死ランナー無し....。
打席はKoutaではなく5年のMamoruだった。また同点のままで7回に突入かと思われた3投目を強振しMamoruのバットが火を噴いた。滞空時間の長い高い円弧を描きながら白球は左翼手のネットの向こうで躍り上がる。思わず全員が起ち上がる「入った!」
逆転のソロホームランである。初めてこの試合優位に転じた。
歓喜に沸くフレンズベンチ。弱小チームの汚名に甘んじて幾星霜。それを見事に払拭する快音であった。
結果は最終回にまたも冷や汗をかいたものの、最後はTakumiが締めてゲームセット。この試合を肴にオヤジたちがその夜うまい酒を呑んだのは言うまでもない(^^)
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