※少年野球「晴耕雨読」から転載
宮前平小ドームにおけるオレンジボール大会、VS白幡台イーグルスなんである。
ドームに着くと宮崎台バーズのオレンジボーイズの面々が奮戦していた。よく見るとキャッチャーで主将を務めていたのは、故高橋さんの次男Kenta君であった。以前も書いたけれど本当にお兄ちゃんやお父さんによく似ており、そっくりの仕草や立ち姿なんであった。大きな声でチームを牽引し最後の挨拶もしっかりやっていた。
試合開始。本部兼花フラのSaitohさんやSuzukiさん。それに近くで連合練習していたAbeさんやYamamotoさんも覗きにきてくれた。日に焼ける季節でもないのに、ふたりの顔が心無しか赤いのは推して知るべし、多くは語るまいて(^-^)
先発はF、Kurumi。むかし漫画ドカベンで殿馬が「秘打!白鳥の湖」てのがあったと思うけれど、Kurumiの投球は右脚を大きく上げて左脚一本で立つその姿は、「秘技!フラミンゴの湖」なんである。
初回Eの先頭打者の当たりは痛烈な三遊間のゴロ。抜けたかと思ったその瞬間サードFuugaがシングルハンドキャッチ、しかしファーストへの送球は粗いゴロで大きく逸れた....かのように見えたとたん、股を大きく広げたShohがショーバンで見事捕球し間一髪アウト。いきなりのビッグプレーにギャラリーが大きなどよめきのあとの拍手喝采。Aチームなら普通のプレーでも3年以下では奇跡に近いようなものだ。
詳細は割愛なんである。
しかし、ひとつだけ。これまたオレンジならではの伝説が生まれた。
フレンズは本来9人しかいなかったのだが、ムリクリ2人を追加登録したんである。一人はShuuta、一人はつい2,3週間前に入部したばかりの子で、まだ1年生のYohji。つい先日まで幼稚園児だった子である。野球が好きで入ったわけではなく、グランドを見渡すといつも砂遊び組に混在してるくらいだ。
今日はレギュラーの二人が体調不良で参戦出来ず、この二人がひっぱり出されちゃったんである。Yohjiはセカンド。守備についてほどなくすると、あろうことかしゃがみ込んで地面に絵を描きはじめちゃったんであった。ベンチや大人たちが大声で叫び正そうとしても、本人は聞こえて聞こえぬふり、全く動じる事なく黙々と絵を描く手を止めようとしない。その間にもプレーはフツーに続行。トホホ、参った。
伝説はこれで終わりではなかった。Yohjiに打順が回ってきたんである。大人数人がなんとかなだめすかそうが、甘い言葉でおびき寄せようがへっちゃらで、ついに敵前逃亡、どこかへ走り去って雲隠れしたんである。控え選手はおらずお手上げだった。
気転を利かしたNishinakaコーチが本部、審判、相手チームの了承を取り付けて、打者不在で無条件でワンアウトからのスタート続行としてもらった。本来ならその時点で試合終了、Fの負けになる。これもオレンジならではの「大岡裁き」の笑って許してくれた関係者に感謝なんであった。
※一週間後の後日談。筆者がYohji父に「穴があったら入りたかったでしょ?」と訊くと、「自分で穴掘ってでも入りたかったです」とのこと。親は肩身の狭い思いをしたはずだ。筆者が親だったなら、猛烈に穴を掘って掘って、掘り過ぎて、ブラジルまで貫通していたに違いない。しかしYohjiは将来プロ野球選手になるかは疑問だが、岡本太郎ばりの名画伯になっちゃうかもしれない。
試合は拮抗した。4:1のビハインドからFが4点を奪取し4:5の逆転に成功するも、その裏Eも1点返し同点、更に最終回裏にはEがサヨナラゲームにしイーグルスの勝ち。野球レベルや技術面はともかく野球としては立派なゲーム展開であった。
小さな子が野球を好きになる、というオレンジのテーマは十分達成したのではないだろうか。特にサヨナラ勝ちのイーグルスの子たちには。
このあと近くの宮前クラブと富士見台ウルフの練習試合を観に行った。
Hayashiくんの狙いすましたような逆方向へのレフトヒッティングが鮮やかだった。
主審はこの日3試合目だという連盟ベテラン審判部、レッパのYoshikawaさん。
「疲れたよ〜」といいながら、試合後筆者とうまそうに煙草に火をつけた。
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